多くの方は家を買う時に住宅ローンを組みますね。
借りる額は数千万円にもなります。
借りる額が大きくなると、金利0.1%の差であっても数十万円にもなります。
こうなると少しでも安く済ませたいと考えるのが普通です。
しかし住宅ローンと言っても色々あります。
金利の種類や返済方法、そもそも借入額はいくらにするべきなのか…。
住宅ローンが人生初めての”借金”という方も多いのではないでしょうか。
借入額くらいまではわかっても、金利とか返済方法とかよくわかんないよ!!となるのが自然な流れです。
そしてシミュレーションしようにも住宅がどんな金額になるのかもわからないからシミュレーションのしようがないよ!となります。
当記事ではそんな住宅ローンにおける選択肢について解説し、
どんな選択肢を取るべきなのか提案していきます。
こんな方におすすめしています。
- 家を買うけど住宅ローンの借入額はいくらにすればいいの?
- 金利は変動金利・固定金利どちらが良いの?
- 返済額をシミュレーションしたいけど入力すべき数値がわからない!
結論としては個人の考え方によって選択肢が変わるので、一概にこれが良いとは言えません。
考え方を参考にした上で、あなたの納得する形で住宅ローンを組むお手伝いができればと思います。

住宅ローン、組めるかな?
まずは住宅ローンがそもそも組めるのかという問題があります。
住宅ローンを組むためには金融機関の審査があります。
その人にお金を貸し出した後に安定した返済能力があるか等を金融機関が審査します。
この審査に通らなければそもそも住宅ローンを組むことができません。




金融機関の立場で感がると、どこの誰かもわからない人に多額のお金を貸すことになります。信用するに値する人かどうかを判断するわけだね!
具体的な基準は公開されていないようですが、会社員であれば数年勤続していないと審査が通りにくい現状があります。
勤続年数が浅くても公務員だと通りやすい等、色々とあるようです。




私の場合は勤続8年、転職歴無しで問題無く通りました。
借入額と月々の返済額
金融機関の審査に通れば、次は借入額を考えていきます。
借入額については月々の返済額が幾らになるかをイメージするのが良いです。
計算できますので、とりあえず具体的な例を出してみましょう。
まずは条件、続いて結果です。
条件No. | 借入額 | 賞与月追加支払い | 返済期間 | 金利の種類と値 | 返済方法 |
---|---|---|---|---|---|
条件① | 3千万 | 2回/年 | 35年 | 固定金利1.1% | 元利均等返済 |
条件② | 4千万 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
条件No. | 月々返済金額 | 賞与月追加返済額 | 総支払額 | 金利のみの金額 |
---|---|---|---|---|
条件① | \73,780- | \74,004- | \36,167,636- | \6,167,636- |
条件② | \98,373- | \98,672- | \48,223,665- | \8,223,665- |
ここでは借入額と返済金額の関係を簡単に説明します。
細かい条件や、個々の条件の違いによる金額の変化については後に説明します。
1000万円の借入額の違いで次のような変化があります。
- 月々の返済額が1.5万円程変わる
- 金利分の額が200万円も変化する
月々の返済額が増える事は容易にイメージできるかと思います。
見落としてはいけないのが、総支払額に占める金利分の額が大きく増える事です。




具体的にシミュレーションをしていくとこんな違いが見えてきます。
シミュレーションを繰り返し、月々の返済額を支払える金額にしましょう。
シミュレーションに関しては計算に金利が入る関係で計算が複雑になりますので、
シミュレーションサイトを利用する事をお勧めします。
各種条件を入力すると簡単に月々の返済額がわかります。
借入額を入力した後、賞与月に追加返済するかを選びます。
借入額はピンとこなくても、賃貸住宅を利用している方なら月々の返済額なら比較的イメージがつきやすいかと思います。
賃貸を利用したことが無い方はとりあえず、住居費は年収の2割~3割程度が目安と言われていますので参考にしてください(年収=給与の手取り金額ではありません、社会保険料を引かれる前の支払金額です)
このようにして月々の返済金額から自分が借入れられる額をなんとなく掴んでください。
そもそも家ってどのくらいするの?
家の金額って大きすぎて見当つきませんよね、
家がいくらくらいになるのか、概算を見積もる方法を紹介します。
[“ハウスメーカー名” 坪単価] と検索すると坪単価の参考値が出てきます。
ここで得た坪単価に床面積を乗することになります。
例えば坪単価60万の家で40坪の家を建てると
60万x40(坪)=2400万 となります。
これは建物単体の金額ですので土地代は別です。
土地代は地域によって差がありますので、
お近くの住宅地等で売り出している土地の価格を参考にして頂ければと思います。
土地については住宅ローンでの適用については条件があります。
土地のみの購入では住宅ローンが組めない等ありますので、
個々の条件でHM担当者等に確認してください。
返済期間はどうしよう
住宅ローンの返済期間は長い方が月々の返済額が安くなり、総支払額が増えます。
どのくらい変わってくるのかシミュレーションしてみましょう。
条件の違いは返済期間のみです。
条件No. | 借入額 | 賞与月追加支払い | 返済期間 | 金利の種類と値 | 返済方法 |
---|---|---|---|---|---|
条件① | 3千万 | 2回/年 | 35年 | 固定金利1.1% | 元利均等返済 |
条件② | 〃 | 〃 | 30年 | 〃 | 〃 |
条件No. | 月々返済金額 | 賞与月追加返済額 | 総支払額 | 金利のみの金額 |
---|---|---|---|---|
条件① | \73,780- | \74,004- | \36,167,636- | \6,167,636- |
条件② | \83,879- | \84,139- | \35,244,933- | \5,244,933- |
返済期間5年の差で次のような変化があります。
- 総支払額は100万円程かわる
- 総支払額が安くなるのは金利分の額が小さくなることによる
返済期間は短いに越したことはないですが、月々の負担金額が上がります。
(例えば返済期間30年なら35年に比べて1.14倍)。
支払えなくなってしまっては本末転倒です。
20代~30代前半であればとりあえず返済期間35年とすれば良いです。




早く支払いを済ませたければ繰り上げ返済という方法を選択することができます。
変動金利か固定金利か
住宅ローン金利には大きく分けて変動金利型と固定金利型があります。
(さらに各々様々な商品がありますがここでは割愛します。)
- 変動金利型:市場の金利に合わせて金利が変動する。
- 固定金利型:契約執行時の金利が完済まで固定される。
変動金利型と固定金利型について、どちらが良いという答えはありません。
それぞれにメリットとデメリットがあり、価値観によってどちらが良いという答えが変わるため、明確な回答はできません。




変動金利型と固定金利型の違いやメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒変動金利と固定金利はどっちがいい?比較シミュレーションで解説
当記事ではそれぞれの金利を選ぶ理由を簡単に紹介します。
詳細は上記の記事にて解説していますのでそちらを参照してください。
変動金利型を選ぶ理由としては次のようなものがあります。
- とにかく返済金額を減らしたい
- 金利が上がるリスクを許容した上でとにかく安くしたい
1つ注意しておかなければならないことは、
お金に余裕が無いから返済額が安くなる変動金利という選択はすべきでないという事。
お金に余裕が無い状態で、月々の返済額を切り詰めるために変動金利を選択した場合、
金利が上昇して月々の返済額が上がると生活が破綻します。
生活が破綻するリスクがある住宅ローンは非常に危険です。
この場合は資金計画から見直す必要があります。




我が家は固定金利(フラット35S)を選択しているため、
完済までの月々の返済額は既に確定しています。
返済方法は元利均等返済か元金均等返済か
次に返済方法の種類について解説します。
元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。
内容は少し難しいので結果どうなるかになりますが、
総支払額と金額の変化に違いがあります。
完済まで返済額が一定。
ではこの2つで月々の返済額と総支払額がどのように変化するのか試算してみましょう。
条件は金利の時と同様です。
条件No. | 借入額 | 賞与月追加支払い | 返済期間 | 金利の種類と値 | 返済方法 |
---|---|---|---|---|---|
条件① | 3千万 | 2回/年 | 35年 | 固定金利1.1% | 元利均等返済 |
条件② | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 元金均等返済 |
条件No. | 月々返済金額 | 賞与月追加返済額 | 総支払額 | 金利のみの金額 |
---|---|---|---|---|
条件① | \73,780- | \74,004- | \36,167,636- | \6,167,636- |
条件② | 初回\84,781- (6万円台前半まで下がる) | \84,880– (6万円台前半まで下がる) | \35,798,369- | \5,798,369- |
支払えるなら元金均等返済の方が総返済額が少なくなるためお得です。
しかしながら、20代~30代で住宅ローンを組むと、近い将来新生活や育児・教育費といったお金が必要になります。
何かとお金がかかる近い将来に最大の返済金額は相当キツイものがありますね。
子どもが独立して生活資金に余裕が出てきたところで返済額は最小に近づきます。




元金均等返済は総支払額の面でお得ではありますが、お金に余裕が無いとキツいです。お金に余裕があれば繰り上げ返済という選択もできるので、元利均等返済をおすすめします。
頭金はいくら?繰り上げ返済はすべき?
頭金とは借入額を確定するために最初に支払う金額です。
繰り上げ返済はローン執行後に、返済を前倒しする事で金利のかかる借入額を減らし、総支払額を下げる効果があります。




頭金ってできるだけ多く入れた方がいいの?




多く入れた方が金利を含めた総支払額は安くなるけど、
一概に多く入れた方が良いとは限らんのよな~。
どういう考え方するか解説してくよ
お金に大きく余裕が無い場合、基本的に頭金は必要最低限にするべきです。
その理由は頭金を入れたことで家計を圧迫するのを防ぐためです。
また、必要最低限の頭金の額とは金利の優遇を受けられる金額です
頭金は最低限にするべき
頭金は出来るだけ小さく抑えましょう。
頭金を多く投入しすぎて起こり得るのは生活費の不足です。
多くの頭金を投入したことで生活費が足りなくなり、返済が滞ってしまえば意味がありません。
住宅ローンは何十年と払い続けるものなので、無理なく払い続けられることを最優先に考える必要があります。




新生活が重なる若い世代は特に、不意の出費が重なる事もあります。
想定外を許容できるように手元に現金は残しておきましょう。
頭金は金利の優遇を受けられるように調整しよう
必要な頭金の最低限の額とは、金利の優遇を受けられる金額の事を指します。
長期優良住宅等の条件をクリアすることで利用できるフラット35Sで解説します。
この金利の優遇というの実質家の価格が”値引き”されるようなものです。
3000万円の融資額であれば最大70万円余りお得にります。
このフラット35Sを利用するために、“融資率9割以下であること”という条件があります。
例えば、3000万の家であれば、2700万円以下の融資額でないとフラット35Sは利用できません。
つまり、300万円は頭金として支払わなければなりません。




契約手付金を支払ったりした後にこれだけの金額を支払わなければなりません。
色々と必要になって結局300万~500万程度は着手までに必要になるイメージがあります。
資金に余裕があれば繰り上げ返済を行う
ローンの繰り上げ返済を行うと、その後の月々の返済額を減らすと共に、
総支払額を抑えることができます。
次のような選択肢を取ることを考えれば、繰り上げ返済はリスクの低い方法です。
- 頭金を多くする
- 元金均等返済で一気に返済する
住宅購入後にも外構工事や家具・家電の購入等、多くの資金が必要になります。
生活が安定したことを確認した後、資金に余裕があるなら繰り上げ返済を行うようにしましょう。
しかしながら、やはり安定してローンを支払い続けることが最優先です。
繰り上げ返済を行う事で生活を圧迫しないようにしましょう。




繰り上げ返済は生活が落ち着いてから余剰資金を投入する!!
まとめ
住宅ローンに関する様々な選択肢について解説してきました。
個々の価値観と資金計画によってかわるので明確な答えが出ない所ではあります。
しかしながら重要なことは、安定して完済までの間ローンを支払い続ける事です。
住宅ローンは30年・35年といった長い期間支払い続ける固定費です。
目先の数年を見て簡単に決めるのではなく、様々な生活上のリスクを織り込んで余裕のある資金計画を立てなければなりません。
長くなりましたが、ここに書ききれていない内容も多々あります。
ハウスメーカーとの打ち合わせの中でわからないことがありましたら、
お問い合わせフォームよりご連絡頂ければと思います。
あなたが疑問を全て解決した上で住宅ローンを組み、
安定した生活が送れる手助けになれればと思います。
住宅ローンの借入額のあれこれ おわり




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