土地を所有していると毎年固定資産税がかかります。
この固定資産税っていくらかかるか知っていますか?
一言に固定資産税と言っても、次の2つは別々に計算されます。
- 建物に対してかかるもの
- 土地に対してかかるもの
土地の場合は建物が建っているかどうかでも固定資産税額は変わってきます。
この固定資産税額を知らないまま土地や家を所有しすると、
思ってもいなかった出費に悩まされることになりかねません。
当記事では固定資産税の中でも土地にかかる固定資産税について、
- 建物にかかる固定資産税とは何が違うのか
- 土地にかかる固定資産税額について
- 実際にいくらくらいになるのかシミュレーション
これらをわかりやすく解説していきます。
当記事はこのような方におすすめしています。
- 新築を予定しているけど固定資産税いくらくらいになるんだろう…
- 固定資産税は~%と言われるけど実際どうやって算出すればいいの?
- ライフプランを考えたいけど固定資産税の出し方がわからない…
固定資産税は建物と宅地それぞれにかかりますが、
それぞれ算出方法が異なります。
頭の中がごちゃごちゃにならないように記事を分けています。
建物にかかる固定資産税について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

用語の説明は建物についての記事で詳しく記述しています。
こちらでも補足はしますが、しっかりとした解説は建物の方の記事を参照してね



1.建物にかかる固定資産税との違い
建物と土地の固定資産税。
どちらも課税標準額に税率を掛けて算出する事に変わりはありません。




課税標準額とは固定資産税の金額を算出するための基になる家の価値のこと
土地にかかる固定資産税が建物にかかるそれと大きく異なるところは、
年を経ても税額が下がらない事です
建物の場合は“減価償却”が行われるため、固定資産税を算出する元となる課税標準額が年々下がっていきます。
土地は劣化するわけではないので減価償却が無いため、年々固定資産税が下がることはありません。




土地の課税標準額は公的な土地の価格の上下に影響を受けて変動します
税額の算出方法は固定資産税・都市計画税共に建物と同様で
固定資産税 = 課税標準額 x 1.4%(基準税率)
都市計画税 = 課税標準額 x 0.3%(最大)
となります。




詳細は建物の固定資産税の記事内で触れていますのでそちらを参照してください。
→【固定資産税】建物にかかる金額をわかりやすく解説!!
2.土地に対する固定資産税の軽減特例
Ⅰ.軽減特例について
土地の固定資産税は、その土地に住宅(戸建て・賃貸共)が建っている場合、
軽減される特例があります。これを
固定資産税・都市計画税の軽減特例と言います。
どのくらい軽減されるかというと
– | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅用地 (200m2以下の部分) | 1/6 | 1/3 |
一般住宅用地 (200m2を超える部分) | 1/3 | 2/3 |




小規模住宅用地と一般住宅用地については次項で解説します
近所に、誰も住んでいないのにも関わらず、
ずっと家を壊さずに建ったままになっている住宅はありませんか?




あるあるっ!さっさと壊せばいいのになぁって良く思っとるんさ!!




あるよな~、でもあれはな、所有者の個々の事情はあるけれども、固定資産税の観点からも壊さん理由があるんよ




なになに?安くなるん??




結論はそういうこと!ちょっと解説するわな




あくまでも建物が建っている状態の土地は税金を値引きしてもらっているという事を正しく認識しておいてね
Ⅱ.小規模住宅用地と一般住宅用地
前項で小規模住宅用地と一般住宅用地という言葉がでてきました、
こちらについて解説していきます。




地域によって決められてるんじゃないの?
うちは小規模住宅用地!隣町は一般住宅用地!みたいな??




そーーーじゃないんよな!
すごくそうっぽいけどそうじゃないんよ!解説するわな
小規模住宅用地と一般住宅用地は同じ場所(同じ土地区画)に混在します。
まず小規模住宅用地と一般住宅用地どちらも住宅が建っている土地の事です。
- 住宅が建っていて200m2以下の土地であれば小規模住宅用地
- 住宅が建っていて200m2を超える土地は一般住宅用地
例えば、ある所有者が同じ一括りの土地の一部に建物があり、
その面積が210m2だったとします。この場合、
- 200m2が小規模住宅用地
- 10m2が一般住宅用地となります。
よってこの土地の固定資産税は
- 200m2の部分にかかる税金が1/6
- 10m2の部分にかかる税金が1/3
に軽減され、これらの合計金額が税額となります。




なるほどなー!文字から受けるイメージとちょっと違ったな!
3.固定資産税をシミュレーションする
では土地にかかる固定資産税はどのように算出されるのか?
シミュレーションしながら解説します。
建物の固定資産税額算出と同様に、
土地の場合も課税標準額に税率を掛けて税額を算出します。
まずは課税標準額の算出方法から解説します。
Ⅰ.課税標準額の算出
課税標準額の算出方法は以下のA~Cの3つの方法があります。
- A.固定資産税の納税通知書を確認する
- B.公示価格を基にして固定資産税評価額を算出する
- C.実際の取引価格から算出する
最も簡単且つ確実で、算出金額の精度が最も高いのがA。
但し、土地を取得した後でなければわからない。
このため、新築後にどのくらいの固定資産税がかかるのか知りたい場合に調べられない。
Ⅱ.固定資産税の算出
課税標準額がわかれば次は土地にかかる固定資産税の税額を算出していきます。




前述のAの方法を用いて算出しますが、土地購入前で納税通知書が無い場合はCの方法を利用します。Cの方法の場合は概算となってきますので精度は落ちます。
課税標準額について既に土地購入済の方は納税通知書を確認してください。
土地の購入がまだの方は概算です、ひとまず購入予定価格の70%としてください
- 諸条件
- ・土地の課税標準額(固定資産税評価額):1000万円(軽減前)
・土地の広さ:250m2で市街化区域にある
・住宅が既に建っており、住んでいる
土地の広さが250m2であるため、
これを小規模住宅用地200m2と一般住宅用地50m2に分けます
- 小規模住宅用地⇒200m2⇒課税標準額1/6へ軽減
- 一般住宅用地⇒50m2⇒課税標準額1/3へ軽減
250m2の土地に対して1000万円の課税標準額なので1m2あたりの課税標準額は
- 1000(万円) / 250(m2) = 4(万円/m2)
となり、200m2の部分と50m2の部分の課税標準額はそれぞれ
- 4(万円/m2) x 200(m2) = 800万円(小規模住宅用地の部分)
- 4(万円/m2) x 50(m2) = 200万円(一般住宅用地の部分)
**********ここまでは都市計画税と同じです**********
これらの課税標準額に対してそれぞれ軽減特例により
- 小規模住宅用地の部分:800万円 x 1/6 ≒ 134万円
- 一般住宅用地の部分: 200万円 x 1/3 ≒ 67万円
- 課税標準額の合計:134万円 + 67万円 = 201万円
この課税標準額201万円に対して税率1.4%(自治体によって前後)がかかります。
- 201万円 x 1.4% = \28,140-
こちらが固定資産税の年額となります。
(1回分は1/4で\7,035-)
Ⅲ.都市計画税の算出
市街化区域であるため都市計画税の課税対象です。
課税標準額の算出までの手順は固定資産税と同じなので省略します。
- 4(万円/m2) x 200(m2) = 800万円(小規模住宅用地の部分)
- 4(万円/m2) x 50(m2) = 200万円(一般住宅用地の部分)
と課税標準額が算出できています。軽減特例により
- 小規模住宅用地の部分:800万円 x 1/3 ≒ 267万円
- 一般住宅用地の部分: 200万円 x 2/3 ≒ 134万円
- 課税標準額の合計:267万円 + 134万円 = 401万円
この金額に税率0.3%(最大値)を掛けます。
- 401万円 x 0.3% ≒ 1.2万円
こちらが都市計画税の年額となります。
(1回分は1/4で\3,000-)
固定資産税と都市計画税を合わせると
28,140 + 12,000 = \40,140-
これが年額となります。
4.まとめ
固定資産税と都市計画税について、シミュレーションを交えながら解説してきました。
200m2以下の土地であればかなり税金を減額してもらえることがわかりましたね。
ちなみに200m2とはおおよそ60坪の土地になります。
多くの家が35坪~45坪の2階建てですので、1階はせいぜい20坪くらいの広さです。
60坪となるとかなり広いですね、なかなか超える事は無いと思います。
固定資産税は納税通知書が届くまで確定しません。
土地の固定資産税については建物のように税額が年々減らない上、
ずっと支払い続けていく固定費となります。
小さな金額ではないかと思いますので、
毎年いくら支払っているかを納税通知書で把握して、生活に役立ててください。
【固定資産税】土地(宅地)にかかる金額をわかりやすく解説!! おわり
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