住む家について、賃貸が良いのか持ち家が良いのか。
この疑問については長く賃貸派と持ち家派で分かれています。
結論としては、賃貸には賃貸の、持ち家には持ち家のメリットデメリットがあります。
一概にどちらが良いと言い切ることはできません。
多くの意見が溢れているので、その中で自分の思いに合ったものを選び、納得して決定しましょう。
当記事ではFP資格を持つ私が、賃貸と持ち家のメリット・デメリットについて中立的に考えていきます。

ちなみに私は持ち家派です!
当記事はこんな悩みを持つ方におすすめしています。。
- 賃貸と持ち家ってどっちの方がお得なんだろう?
- 賃貸も持ち家もメリット・デメリットいっぱいあるよね、迷うなぁ。
- 今賃貸だけど、持ち家にしたときにいろんなお金かかるよね?
こんな感じで賃貸に住みながら迷っている方、家を取得したいとは思っているけど、決めきれない方のための記事です。
“賃貸か持ち家か”とWeb検索するとたくさんの記事が出てきます。
たくさんの意見の中の一つとして、賃貸か持ち家か悩む方の1つの助けになればと思います。



私はこうした
実家暮らしの後、現在の妻と相談しながら結婚前に住宅取得の契約・着工し結婚。
お互いに実家を離れると同時に建てた家に住み始めました。
当記事を書いた時点で入居3年目となります。
私は賃貸を契約したことがありません。
仕事で単身赴任していた関係で、賃貸物件の利用は経験がありますが、会社に費用負担頂いていた為、家に対する支払いはお任せしていました。
賃貸と持ち家のメリット・デメリットは相反する
後に賃貸と持ち家のメリット・デメリットを書いていきます。
そのメリット・デメリットは基本的に相反するものとなっています。
持ち家のメリットは賃貸のデメリット、賃貸のメリットは持ち家のデメリットといった具合です。
つまり、どちらを選ぶにしてもメリット・デメリットがあるので、
- 譲れないメリットを選択するのか
- 許容できるデメリットを選択するのか
どちらかの考えで決めていくことになります。
下記にて各々のメリット・デメリットを記載していきます。
譲れないメリット・許容できるデメリットを意識しながら読んで頂ければ良いかと思います。
賃貸のメリット3選
賃貸のメリットは大きく3つあります。
この他にもたくさんあるかとは思いますが、大きなメリット3つについて紹介します。
家族構成の変化に対応できる
1つ目は家族構成の変化に柔軟に対応できることにあります。
同居家族が増えた・減った。子どもが大きくなって手狭になった。
このようなことが起こると部屋に余分や不足ができ、
- 部屋がもう一つほしいな
- 広すぎてもったいない
ということが出てきます。
この他にも、
- 子どもが大きくなってプライベート空間(子供部屋)を与えたい
- 不慮の事故で車椅子生活になった、バリアフリーの家に住み替えたい
といった要望に対しても物件を選ぶことで柔軟に対応できます。
賃貸が自身・家族を主体として家を選ぶことができる一方、
持ち家の場合は建てた家を主体としなければならない点が賃貸と異なります。
持ち家の場合には予め家族構成やケガのリスク、年老いた時の事まで人生設計した上で購入しなければなりません。
その人生設計が狂ってしまった場合にも基本的には「建てた家の中でどう対応するか」になります。
容易に引越ができる
賃貸の場合は簡単に引っ越すことができます。
これが賃貸最大のメリットと私は思います。
- 転勤で今の場所に住むことができなくなった
- 近所付き合いがうまくいかない
- 不便が発覚したので今の場所を離れたい
このような時に簡単に家を替えることができます。
隣近所は良くても、同じ近所・町内にはなかなか合わない性格の住人が1人や2人はいるものです。
耐えられる程度なら良いですが、生活や健康に支障をきたすようなことがあった場合には転居したいと思うかもしれません。しかし持ち家では簡単に転居することができません。




私はこの点が持ち家の最大のデメリットだと考えています。
被災時の損害が少ない
3つ目は災害等で被災した場合に、金銭的な損害が少ないことです。
地震や火災等の災害時で住居が破損した場合、
賃貸の場合は基本的に建て替えや修繕費を負担する必要がありません。
住めなくなったら違う賃貸物件を探して住み替えれば良いのです。
これに対して持ち家の場合は全ての費用を負担しなくてはなりません。
持ち家の場合は基本的に火災保険に入っているため、実損害に応じた費用を限度に保険金が支払われます。
しかし、被災した場合には火災保険で補填されないものの買い替えなどで出費が必要になることが予見できます。
火災保険に関しては生命保険等とは違い、損害保険になりますので実損以上の保険金を受け取ることはできませんのでなかなか保険金だけで原状復帰は難しいようです。




火災保険のおかげで破産するような損害にはならないけれど、ある程度の出費はできてしまうでしょう。
持ち家のメリット6選
次に持ち家のメリットを紹介していきます。
より大きな6つのメリットを紹介します。
同額なら賃貸に比べて部屋が広い
1つ目は、同額の家賃(ローン返済額)なら圧倒的に持ち家の方が部屋が広いことにあります。
例えば我が家は4LDKの戸建てで、月々のローン返済額は5.5万円~6.5万円の範囲(建物のみ)です。
仮にこの5.5万円~6.5万円を家賃として賃貸物件を契約した時、部屋の広さはどのくらいになるでしょうか。
お近くの不動産情報を確認して頂ければなんとなくつかめるかと思います。
地域差はありますが、同等の広さの物件を探すのはかなり難しいかと思います。
単純に広さだけを考えれば持ち家の方が圧倒的にゆとりのある空間を得ることができます。




東京とかになると1ルームでも5万円超えてくるよね!
希望通りの間取りにすることができる
戸建て注文住宅に限りますが、希望通りの間取りにすることができます。
間取りを建築基準やハウスメーカー毎の仕様の範囲内で自由に設計することができます。
大きくなればなるほど金額が上がりますが、ハウスメーカーによってはこだわりに対して非常に柔軟に対応してくれます。
間取りを作りあげていくのは大変ですが、満足度の高い家が得られることは間違いありません。
私も実際に妻と相談しながら間取りを考えましたが、将来の事を考えながらあれこれ相談し、一つの大きな物を購入できる喜びは非常に大きいものです。




我が家が建てた一条工務店は、間取りの自由度はかなり低い方です。
家は性能で選びました!
財産になる
持ち家は財産となります。
賃貸物件は契約している限り永久に払い続けなければなりません。
そして何年間住もうとも最終的には返却、つまり財産にはなりません。
この反面、持ち家は購入時点で財産となります(ローンが払い終わった段階ではありません)。
住宅は財産としてプラスの資産、ローンは負債という形でマイナスの資産となり、
ローン返済でマイナス資産を徐々に減らしていきます。最終的にマイナス資産が0になったとき、プラスの資産である住宅が残るというイメージです。




売却することでお金を得る事も可能です。
最終的な支払金額が賃貸より安い
持ち家の住宅ローン返済額と賃貸の家賃を考えた時、
総支払額は持ち家の方が安くなります。
これが持ち家最大のメリットではないかと思います。




どのくらい違うのか?少し試算してみましょう
30歳の方が持ち家・賃貸それぞれについて月々支払額が7万円(持ち家のボーナス支払いは無し)とします。
この方が35年間で支払う金額は共に
70,000(円) x 12(ヶ月) x 35(年) = 29,400,000(円)
非常に単純な計算ですが、問題はこの後です。
住宅ローンは最長35年で払い終わりますので、この後の住宅にかかる月々支払額は”0円”になります。
(厳密には修繕費や関連固定費がかかります)。
そしてこの方が90歳で亡くなったとします。
賃貸の場合: [ 70,000(円) x 12(ヶ月) x 30(年) ] = 25,200,000(円)
亡くなるまでの30年の間にさらにこれだけの家賃を支払うことになります。
長生きすればさらに払い続ける事になります。
この30年は会社員であればいわゆる現役世代では無い為、収入が減ることが予測できます。
収入に対する支出比率が大きくなります。
持ち家の場合、修繕費等かかってきますが、建て替えしなければ1千万以上の差は出るかと思います。
さらに、持ち家の場合は最終的に住宅を売ることもできます。
その時にいくらで売れるかはわからないためここでは考慮しないことにしますが、
長生きすればするほど賃貸より安く済むことが想定されます。




人生100年時代と言われる中、この差は大きくなりつつあるよ!
壁などへの加工ができる
持ち家の場合は壁などに加工することができます。
最近何かと話題のDIYですね。
賃貸物件の場合は契約内容にもよりますが、基本は現状復帰になるかと思いますので壁に釘打ち等できません。
持ち家の場合は自分の所有物ですので戸建てであれば自由に加工することができます。
と…言っても新築住宅に穴をあけたりするのは勇気が要ります。
我が家ももうすぐ4年目に突入しようかというところですが、釘一本打ち込んでいません。




穴をあける勇気はなかなかでないね…!




あけたいと思ったことは?




あるかな~、ベビーゲート作った時も穴あけて固定出来たらどれだけ楽かと思ったね!
なんとか穴あけずにつくったけど!
近所迷惑になりにくい
戸建ての家の場合は近所迷惑になりにくいこともメリットです。
子どもが小さい間は泣いたり走り回ったりしてしまうため、近隣住民へ気を使ってしまいます。
戸建て住宅の場合は泣き声も、走り回った振動も基本的には家の中だけでおさまります。
隣近所に迷惑になっているのではないかという心配が無く精神衛生上良いです。




妻とはしばしば、「アパート・マンションじゃなくてよかったね」という会話をすることがあります。
まとめ
賃貸と持ち家について、メリットとデメリットをそれぞれ紹介してきました。
- 賃貸には賃貸の良さ、持ち家には持ち家の良さがある
- どちらが良いとは言い切れない
- 最終的には自分の価値観で決めるしかない
この【賃貸か持ち家か】という疑問に対する答えはありません。
その人の価値観によって決まってきます。
- 譲れないメリットを選択するのか
- 許容できるデメリットを選択するのか
多くの意見を参考によく考えて、後悔の無い選択をしていきましょう。
私の考えでは、仕事や人生設計の中で定住を選択できるのであれば早々に持ち家取得すべきであると考えます。
賃貸に支払う金額が多ければ多いほど、人生における総支出額が膨らむことになるからです。
また、定住を選択することで近所付き合いが生まれ、生活環境も安定します。
子どもがいる場合、転校したりする必要がありません。
人は環境が変わるときにはストレスを感じやすいものです。
子どもに余計なストレスを与えずにのびのびと育てる環境は持ち家の方が整えやすいのではないでしょうか。
持ち家、賃貸どちらを選択するにせよ、自分はどういった理由でそれを選択するのか、それをしっかり家族と相談し、理解することが必要です。
人生の中で大きな決断の一つです。ただなんとなくを避け、皆さんが意思のある決断をされる参考になれれば幸いです。
賃貸か持ち家か ~メリット・デメリット~ おわり
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